2008年4月号掲載 押尾コータロー

「思い入れのある高知で、またコンサート出来て
本当にどうもありがとう」という気持ちでいっぱいです


●何度も来られている押尾さんにとって、高知は結構身近な存在では?
そうですね。昔はRustic pansの山村誠一さんと結構回ったり、デビューしてからも高知県内いろんな所でずっとやらせてもらってます。特に吾北村の人にはすごくお世話になってるので、本当に思い入れは強いですね。

●1月1日にアルバム「Nature Spirit」がリリースされましたね。和訳すると「自然の精神」ですが、なぜこのタイトルに?
今までも、美しい自然を見て曲が出来る事もあったんですが、普段の作曲や練習って、窓もないような地下スタジオで「ああでもない、こうでもない」って作る事が多いんです。しかも、楽曲制作に期限があると、忙しさからイライラして焦ってる自分がいて。そんな時スタッフに「ちょっと息抜きした方がいい」って言われて無理矢理、近所の大きな公園に連れて行かれたんです。そこでボーッとしてたら「今までこんなボーッとしてる時間無かったな。こういう時間て大事やな」とすごい感じたんですよ。今までは「息抜きなんてもったいない」と思ってる自分がいたんですが、それではダメだと思って、もっとボーッとしに旅行に行きまして。目の前に広がる、何百年何千年も変わらない景色を見て、自然に教えられた事を表現したくて「Nature Spirit」というタイトルが生まれたんです。

●息抜きってやっぱり大事なんですね。
そうですね。僕と同じ世代の人で、今までの僕と同じ気持ちでいる人に、このアルバムを聴いてもらって「旅行は無理にしても、ちょっと近所を散歩するか」とか、そんな気持ちになってもらえたらいいなという想いを込めましたね。

●では作品自体にもそういうエッセンスが?
今まではテーマを決めて曲をつくってたんですけど、今回は自然体がテーマ。最初「テクニックをいっぱい散りばめた曲を作らなければ」って思っていた気持ちは自然となくなって、「別にテクニック入ってなくても、この曲は気持ちいいし、自分が気持ちいいと思った曲はきっと伝わるはず」と、肩の力を抜いて作りました。そうして出来た曲は、もう全部が僕自身だったし、聴いてくれた人にも評判良かったんですよ。

●4月6日に控えた高知ライブへの意気込み&読者にメッセージを。
ギターコンサートって「スーツとか正装で行かなきゃダメなのかな」というイメージがあるかもしれないけど、僕のはジーパン、Tシャツで本当に気軽に聴いてもらえるし、なごみのコーナーもあれば、ちょっとロックテイストな部分もあったり、やっぱ関西人なんで笑いも作ってみたり(笑) 「温かくて、笑いあり、涙あり」みたいなのが好きだから、そんなコンサートにしたいですね。とにかく見て、聴いてもらわないと分からないジャンルだし、聴かず&見ず嫌いされるのも困るので(笑)歌のないギター音楽っていうのも、たまには見てみるのもいいんじゃないかと思ってほしい。この本を見てくれてるあなたはぜひ! 4月6日は騙されたと思って、ライブを見に来て下さい。会場でお待ちしています!

 


オシオコータロー
大阪出身のアコースティック・ギタリスト。02年にメジャーデビューを果たし、同年10月には全米デビューも実現。高難度な演奏技術を積極的に取り入れながらも、迫力ある演奏と、繊細であたたかい音色が共存するステージは、世代を超えて多くの人々に支持されている。ソロアーティストとしてライブ活動を中心に、映画、CM、TV番組の音楽を手掛ける作曲家としても活躍中。

New Album「Nature Spirit」
3059円・発売中 通算6枚目となる今作は「自然体の自分」を表現した、更なる進化を予感させる1枚。ジェイク・シマブクロとのセッションによるカバー曲も収録。